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Definición y significado de アトピー性皮膚炎

Definición

definición de アトピー性皮膚炎 (Wikipedia)

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Sinónimos

アトピー性皮膚炎 (n.)

アトピーせいひふえん

Diccionario analógico

アトピー性皮膚炎 (n.)

皮膚炎[Hyper.]


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Wikipedia

アトピー性皮膚炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アトピー性皮膚炎 (英語:atopic dermatitis) とは、湿疹皮膚炎症)を伴うもののうち、アレルギー反応と関連があるもの。先天性の過敏症の一種。アトピーという名前は「場所が不特定」という意味のギリシャ語「アトポス」(atopos - a=不特定、 topos=場所)から由来。医学用語としては気管支喘息鼻炎などのほかのアレルギー疾患にも冠されるが、日本においては慣用的に「アトピー」のみで皮膚炎のことを指すことが多い。

目次

概要

アトピー性皮膚炎は、アトピー型気管支喘息アレルギー性鼻炎皮膚炎蕁麻疹を起こしやすいアレルギー体質(アトピー素因)の上に、様々な刺激が加わって生じる痒みを伴う慢性の皮膚疾患と考えられている。患者の約8割は5歳までの幼児期に発症する。従来学童期に自然治癒すると考えられていたが、成人まで持ち越す例や、成人してからの発症・再発の例が近年増加している。これについては、人口密度や住宅環境の変化が要因であるとする意見や、軽症患者の医療機関への受診が増えたことを指摘する意見がある[要出典]

アトピー性皮膚炎のガイドラインには、厚生労働省によるものと、日本皮膚科学会によるものがある。厚生労働省診断ガイドラインは皮膚科医に限らず広く一般の臨床医に参照すべきものとして作成されている。「改善が見られない場合は専門医に任せるように」としているように、プライマリ・ケアの意味合いが強い。一方、日本皮膚科学会診断ガイドラインでは、皮膚科医が参照すべき内容になっている。主に皮膚の病変に着目した内容になっており、より厳密な診断基準になっている。このように2種類のガイドラインがあり、治療内容にねじれが発生する可能性もある、という意見もある[要出典]

診断ガイドラインは外部リンクを参照のこと。

原因

発症の原因は不明であるが、蕁麻疹のような即時型アレルギー遅延型アレルギーが複雑に関与すると考えられている。

アトピー性皮膚炎は、家族内発生がみられること、他のアレルギー疾患(気管支喘息など)の病歴を持つ場合が多い(アレルギーマーチ)ことなどから遺伝的要因が示唆される。よって、皮膚乾燥しやすいなどのアトピー素因を多くの患者が持つが、これは炎症の結果ではなく、独立した要素であると考えることができる。しかしその一方で、いわゆる遺伝病のように特定の遺伝子が発症の有無を決定的に左右するものではない。また、発展途上国に少なく近代化に従って数十年単位で患者数が増加していること、環境の変化によって急激に発疹痒みの症状が悪化しやすいことなどの理由から、遺伝的要因だけでは説明できない事例も多く、環境要因も非常に大きいと考えることもできる。

以下に、遺伝的(先天的)要因と環境(後天的)要因について、分かっている原因の情報をまとめた。

遺伝的要因

過去に「アレルギー反応が先か、アトピックドライスキンが先か」という議論があったが、90年代からあったバリア機能の欠陥という考え方が今世紀に入って遺伝子レベルで証明されてきており、現在の最先端医療ではこれに倣っている。

1990年代に角質層に存在するセラミドという細胞間脂質が少ないという調査報告があり、セラミドの生成に関わる遺伝子が注目された。セラミドは顆粒細胞内で生成されるが、同じく顆粒細胞でケラチンを束ねているフィラグリンというタンパク質の欠陥が判明、原因遺伝子が2006年に特定された。顆粒細胞は代謝により表皮側にせり上がって角質細胞になるが、この際放出されるセラミド量が少ない為、角質は乾燥して隙間が出来易くなる。この隙間から健常者ならば遮断出来る筈の異物に進入され易くなり、抗体が反応して炎症(痒み)となることが2006年までに数度行われた実験によって証明されている。またステロイド外用剤の長期連用は、角質細胞間をつなぐコルネオデスモゾームと呼ばれる構造を破壊することによって、後述するリバウンドの原因となる[1][2]

個々人の体質や環境によるが8割方の患者は、繰り返される異物進入に対し、免疫系が即応体制を整えて抗体を増産、アレルギー体質化する。またセラミドは細胞同士を接着してもいるため、角質が剥落し易く厚みのある角質層を形成出来ない。このような薄い角質層は外部の刺激に対して敏感であり、痒みの一因になると考えられている。顆粒層及び角質層の異常に起因するアトピックドライスキン、即ちバリア機能の欠陥という皮膚の生理学的異常の分子レベルの解明が進んでいる[3][4][5][6]

遺伝子の解析により、マスト細胞好酸球IgE抗体を結合させるレセプターや、サイトカインのうちアレルギー炎症に関与するものの遺伝子が集中している遺伝子座がアレルギーと関連していることが明らかになっている[7]

環境要因

多彩な非特異的刺激反応および特異的アレルギー反応が関与して生じる要因があり、以下が挙げられる[8][9]

  • 摂取する食物アレルゲンとなっていることがある。乳児期学齢期に多い。
  • ダニハウスダスト・鳥の糞といったアレルゲンにより、悪化原因となっていることがある。
  • 皮膚に常在している細菌の影響も考えられる。細菌が病変部位から進入するなどで特異的な感染症を併発することが多いほか、湿潤した病変部位は健常な皮膚よりも細菌の数が多いことが知られており、これらの菌体成分により免疫応答が賦活化されることが症状の増悪の一因とする説もある(詳細は、アトピー性皮膚炎患者の黄色ブドウ球菌を参照)。
  • ストレスの影響も考えられる。進学就職・職場の配置転換などを機会に悪化するケースが多い。ストレスにより掻破行動が増すことが原因のひとつである。自己を破壊する掻破行為がある種の快感を生み、患者がそれにより症状を悪化させるという説もある[10]
  • 環境基準(健康項目)に定められる有害化学物質等により発症が報告されている。
  • 入浴時等の石鹸の使用により元々遺伝的に弱かった皮膚のバリア機能を更に弱めてしまう事があり、使用を中止する事で軽快する例がある。
  •  極端な乾燥肌のため、冬の乾燥期に悪化する事が多い。特に冬の太平洋側は連日快晴のため、極端な肌荒れを起こし易い
  • 盛夏期、自己の発汗によっても炎症を起こし易い。これは表皮バリア機能が乏しいため、汗の塩分がダイレクトに表皮で滞留してしまうためである。
  • ステロイド外用剤は、コルネオデスモゾームを破壊しバリア機能を低下させるため、英国の小児科医Corkによって、石けんと同様、アトピー性皮膚炎の環境系悪化因子と位置付けられている[11]

皮膚炎の症状

  • 乳児湿疹と混同される場合もある。その炎症は頭部に始まり、次第に顔面に及ぶ。そして体幹、手足に下降状に広がる。
  • 幼児期-学童期には、関節の内側を中心に発症し、耳介の下部が裂けるような症状(耳切れ)を呈する。
  • 思春期以後は、広範囲にわたり乾いた慢性湿疹の症状を呈する。
  • 眉毛の外側が薄くなる(ヘルトゲ兆候)。
  • 発赤した皮膚をなぞると、しばらくしてなぞったあとが白くなる(白色皮膚描記)。
  • 乾燥して表面が白い粉を吹いたようになり、強い痒みを伴う
  • 赤い湿疹、結節などができ、激しい痒みを伴う。痒疹を伴うこともある。
  • 湿潤した局面から組織液が浸出することがある。
  • 慢性化すると、鳥肌だったようにザラザラしたものができ、皮膚が次第に厚くなる。
  • しこりのあるイボ状の痒疹ができることがあり、この場合難治性である。イボになることもある。
  • 思春期以降は、手指に症状が表れ易くなり、爪元から第二関節あたりが特に酷く荒れやすい
  • 児童期が湿潤型、思春期以降は乾燥型の皮膚炎を起こすのがアトピーの特徴である
  • 湿潤型は主に首周りや肘膝関節裏、乾燥型は頭皮、額、肩、内腿、内椀に発症し易いのが特徴である。また乾燥型に切り替わるとき、湿潤型の症状は軽快する傾向がある。
  • 思春期以降は、油脂分泌不足から頭皮に大量のフケが出るケースが多い

検査

血液検査
  • 好酸球・IgEなどの上昇がみられる。IgEは総IgEと特異的IgEがあり、特異的IgEではダニなどのアレルギーが悪化要因となっていないか、も調べられる。
  • TARC (Thymus and Activation-Regulated Chemokine)は、血清で測定するケモカインの一種である。病勢に比例して上昇する(健康保険適応なし)。
VAS (visual analog scale)
主観的な掻痒の程度の指標。100%が最も痒みが強い時、0%がまったく痒みがない時として、何%かをみる。主観に頼るため一般的な指標になりにくいが、痒みの改善度をみるのには非常に有用である。また、掻痒だけでなく、掻痒によって生じる睡眠障害の程度もこの指標が利用される。
SCORAD (SCORing Atopic Dermatitis)
発疹の範囲(熱傷 9の法則に準じる)、紅斑・苔癬化などの発疹の多様性、VAS(掻痒・睡眠障害)を数値化し点数にし、重症度を評価する。合計108点満点。アメリカ等で普及している。

主な合併症

皮膚疾患

  • アトピー性皮膚炎体質の人は一般に皮膚が弱く、子供の頃におむつかぶれを起こしやすかったり、各種の化粧品、塗り薬、洗剤などによる接触性皮膚炎を起こしやすいことが知られている。
  • アレルギー反応が強い箇所を中心に、結節を伴う痒疹(結節性痒疹)を生じることがある。慢性化、難治化することもある。
  • 円形脱毛症の合併も知られている。

感染症

眼科疾患

最近では白内障網膜剥離を合併するケースが増えてきている[13]。網膜剥離に関しては、特に顔面の症状が酷い際の掻破、顔をたたいてかゆみを紛らわせる行動などの物理的な刺激の連続により発生すると考えられている。白内障については原因は

  • 網膜剥離と同様、顔や瞼の痒みから強く擦ったり叩いたりするからではないか
  • 水晶体は発生学的に皮膚細胞と同じ分類に入るため、アトピー性皮膚炎と同様な病変が起こるのではないか

といった説がある。いずれにせよ、加齢に伴って発症する通常の老人性白内障とは異なる原因で発生すると考えられており、また水晶体が皮質からではなく核から濁ってゆく事が多いという症状のパターンの違いから、「アトピー性白内障」と呼ばれることもある。ステロイド内服の副作用として白内障があげられることから、原因としてステロイド外用剤の副作用が疑われたが、外用剤との因果関係は不明であること、内服薬の副作用として発生する際は、白内障ではなく緑内障の発生率のほうが高いにもかかわらず、外用剤のみで治療されているアトピー性皮膚炎患者では緑内障が少ないという矛盾があることから、ステロイド外用剤は直接白内障とは関連がないとの結論に至っている。

治療総論

この疾患に病院などで一般的に行われる治療は、根治を目的としたものではなく、薬物などによる対症療法である。現代の医療技術ではアレルギーの発症そのものを抑える方法はなく、幼少期の食物の影響が強い症例などを除き、原因となるアレルゲンを特定することが難しく、また代表的なアレルゲンであるダニハウスダストなどを環境から完全になくすことも事実上不可能であるからである。

まず重要なことは不規則な生活やストレス、乱れた食生活や不潔な住環境を避け、十分な睡眠時間を確保することである。極端な重症例や治療に抵抗する症例を除けば、その上で薬物療法とスキンケアを行うことによりQOLへの影響は最小限にできる。十分なコントロールが得られない場合でも、頻回の受診で処方を変えていけば問題が起きることは少ない。

いわゆる「根治」をうたった療法で医学的根拠のあるものは現時点で存在しない。数年にわたって症状が完全に消失している、「根治」とみなせる状態もありうるが、何らかの治療の結果ではない。

現在、日本皮膚科学会にて治療ガイドラインが出ている。外部リンクを参照のこと。

医療機関で一般的に処方される薬物

ステロイド(副腎皮質ホルモン剤)

  • ステロイド外用剤は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)により過剰になっている免疫反応を抑制し、症状を和らげる効果がある。もっとも効果が高いとされる薬剤である。外用剤にはランクがあり、「Weak(弱い)」「Medium(普通)」「Strong(やや強い)」「Very Strong(かなり強い)」「Strongest(最も強い)」に分けられ、症状の度合い・炎症の発生部位によって使い分ける。ステロイド外用剤は薬局・薬店などで入手出来るものもあるが、強いランクのものは医師の処方箋を必要とする。
  • ステロイド外用剤を皮膚に長期使用すると皮膚萎縮、皮膚感染症の誘発、毛細血管拡張などの副作用が生じることがある。しかしながら治療が困難な患者やアトピービジネスがその弊害を過剰に主張したり、内服薬の副作用を外用薬のそれと混同することもあり、治療現場は混乱している(ステロイド皮膚症を参照のこと)。
  • 日本皮膚科学会で示される治療ガイドラインによると、ステロイド外用剤の中止によるリバウンド(Rebound effect)(急激な症状悪化・再燃)に関する言及がない。このことがアトピー性皮膚炎のステロイド外用治療の現場を混乱させている最大の原因であるという指摘がある(脱ステロイド療法の項参照)。
  • 症状が重く QOL(生活の質)が著しく低下している場合は密封塗布や皮下注射を行ったりすることもある。或いはステロイド内服薬を服用する場合もある。

プロトピック(商品名・軟膏)

  • プロトピックとは、1993年から治験として使われ始め1999年6月に認可された、タクロリムスという免疫抑制剤を外用剤として製剤したもの。元々臓器移植手術の際に用いられてきたもの(商品名プログラフ)だが、その濃度を0.1%にして外用剤にしている。(小児用は0.03%である。)
  • ステロイドの「medium」の強さではないかと言われている。特に顔面頸部において効果が高いとされ、ステロイドの副作用が出やすい部位でもあることから、好んで処方される。プロトピックは分子量が大きいため、正常な皮膚には作用せず、炎症が強く壊れた皮膚にのみ浸透していくことに由来している。
  • 使用開始初期にヒリヒリとした刺激感や火照りを感じる人もいるが、皮膚が慣れてくるにつれて徐々に治まってくる。
  • 妊娠している方には使用禁止である。授乳中も使用できないとされているが念のためというニュアンスである。
  • 塗布後に直射日光を浴びたり、紫外線療法による治療中に使用することなどは避けるべきとされている。皮膚癌の発生率が高くなるという報告があるが[14]、白人のデータであり日本人には当てはまらないとする意見もある[要出典]
  • 副作用としては、ニキビの増悪がある。カポジ水痘様発疹症の発生率が高くなるとの報告がある[15]
  • マウスの実験で悪性リンパ腫の増加があるという報告がある[16]。メーカーでは、人間に使用した場合の影響はないと説明しているが[17]、動物実験を根拠に危険を主張する人もいる。精確な評価には多数の使用者を長期追跡することが必要であるため、完全な結論には時間が必要と思われる。なおFDAは発ガン性への懸念から、処方を必要最小限とするように警告を出している[18]

保湿剤

アトピー性皮膚炎患者の皮膚は、明確な病変部位外にも、乾燥した特異な性状を示すことがある。乾燥部位からは皮脂やセラミドが失われ、外部からアレルゲンの侵入を容易にしていると考えられている。また痒みの一因ともなり皮膚の回復が妨げられている。炎症に対する治療だけでなく、このような皮膚の性状に対処すること(スキンケア)もまた、治療の根幹である。スキンケアを丹念に行うことにより劇的に改善することもあるため、ステロイド外用剤などだけでなく、保湿剤を使用することは重要である。実際の処方では、ワセリンプラスチベース®等の油性のものや、適度に水分を含んだクリーム状の保湿剤(ヒルドイド®ソフト軟膏等)がよく処方される。

医療機関で処方されるものだけでなく、薬局・薬店で購入できるスキンケア製品でも効果が期待できる。ただし患者の敏感な皮膚は製品によっては接触性皮膚炎を起こすこともあり、使用感がよく、かぶれを起こさない製品を選択することが重要である。いろいろ試して、自分に合う保湿剤を探索するのが良いとされている。

しかしながら、実際はアトピーと思われていても真菌が原因の場合も多く、その場合保湿をすると症状が悪化することもある。保湿する前に医師による皮膚の検査を先に受けた方が良いとされている。なお、気候の乾燥したヨーロッパ等ではアトピーと真菌の患者はとても少ない。

非ステロイド系薬剤

  • 風邪薬などの成分である消炎・鎮痛薬(イブプロフェンなど)の外用剤(アンダームクリーム、スタデルムクリームなど)を使用することがある。いずれも穏やかでステロイドほど劇的な効果は得にくいとも言われる。接触性皮膚炎を高率に起こすことがある。
  • 抗ヒスタミン外用薬(レスタミン軟膏など)を使用することがある。痒みは低下するが、炎症を抑える効果は低いとされている。

ステロイド以外の免疫抑制剤

日和見感染を引き起こすことがあるため、ステロイド剤無効例に処方されることが多い。

  • シクロスポリン(ネオーラル®): カルシニューリン阻害剤。リンパ球の活性を抑制し、アレルギー反応を軽減する。
  • タクロリムス(プログラフ®): カルシニューリン阻害剤。シクロスポリンと同じ薬理作用。
  • (オマリズマブ(ゾレア®,Xolair®): 抗IgE抗体。現在気管支喘息にしか適応がないが、将来効能追加が期待されている。)

その他

  • 皮膚科の専門医が漢方薬を処方する場合もある。そのような場で処方される場合、顆粒状に加工されたエキス剤であることが多い。健康保険が適用される。ツムラ、JPS製薬の項目を参照。
  • 痒みが強い場合、必要に応じて抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用する。アトピー性皮膚炎の患者では、発疹→痒み→掻破行為→発疹にて悪循環になっていることが多い。そのため、その悪循環を断つという意味で痒みを抑える効果のある抗アレルギー薬は有効である。痒みのコントロールをすることは、皮膚の炎症の改善にもつながるということである。
  • IPD(アイピーディー)というTh2活性阻害薬が使用されることがある。花粉症でも使われる薬剤である。アトピー性皮膚炎では、Th2細胞の亢進・サイトカインの中のIL-4・IL-5(アレルギー症状を誘発するもの)の産生の増加がみられることがあるため、効果があるとされている。効果が現れるのには数週間ほど時間がかかるという特徴がある。
  • 痒みが強く睡眠がとれない場合、必要に応じて睡眠薬・抗うつ薬を使用することがある。
  • 掻破による傷がある場合、亜鉛華軟膏を使用することがある。
  • ステロイドは使用されていないとして販売された化粧用保湿クリームに、ベリーストロングのステロイドが少量混入されている事件が全国で数社、およそ数千個発覚し注意が促されている。ステロイドが入っていないと信じて赤ちゃんや顔に使用した人がいるため注意を呼びかけるニュースが流れた。これらのクリームを使用した人は、使用をやめると皮膚がカサカサし、それがリバウンド症状に似ていることから気づいて訴え、調査から相当時間がたって混入が発覚した。

医療機関で一般的に指導される治療(薬物以外)

アレルゲンの除去

ダニ」・「ハウスダスト」がアレルゲンとなっている場合が多く、実際に他の疾患の治療でホコリのない無菌室に入った際に劇的に改善することは良く知られている。部屋のホコリ掃除や換気をこまめに行い、寝具を日光に干す頻度を増やす。多くの患者では多種類のアレルゲンが関与し、また完全にダニなどを除去することも難しいため必ずしも効果があるとは限らないが、著効例も報告されている[19]

愛玩動物の皮屑も主要なアレルゲンの一つであり、さらに飼育管理によってはダニの原因にもなっているため、基本的には飼わないのが無難である。ただし心情的に動物を手放すのが難しい場合もあり、患者の家族環境の問題でもあるため、慎重な態度をとる医師も多い。段階的に、まず医療機関でRAST法などの血液検査を行い、患者の症状の原因となっているかを調べ、また実際に飼育している動物との接触で症状が悪化するかを調べ、原因であることを確定してはじめて除去を行うという指導もある。

食事制限

  • アトピー性皮膚炎の原因が、明らかに食物アレルギーが原因または悪化要因となっている場合には、食事制限が必要となる。一時期には厳密な食事制限が実施されたが、成長に伴い食物の影響は低くなるケースが多いことと、厳格な食事制限の結果子供の一部に成長障害が起きることが多々みられるようになったという理由で、以前よりは比較的穏やかな方法がとられるようになった。食事制限の内容は、管理栄養士などとも相談して決められる。
  • アトピーの治療というより食物アレルギーの治療である。食事制限により皮膚の炎症を直接、抑えるものではない。
  • 血液中のIgE抗体が、どのアレルゲンに反応するかを調べるRAST法では、総IgEが高い場合、多数種の抗原に対して陽性となる傾向があるが、それは実際の症状と相関しない場合があることがわかっている。食事制限の方針を決める際には、パッチテスト、少量を試験的に摂取するなどの実際のアレルギー反応を見る方法が取られる。
  • また乳児に対しては、時期尚早な離乳食への移行や、同一の食品を連続して摂取させるなどは、食物アレルギーを誘発することがあるため避けるべきとされている。

石鹸の工夫

過剰に皮脂を奪う石鹸は避けたほうがよいが、その一方、十分に皮脂が洗い流されないとかゆみや菌の繁殖によってかえって症状を増悪させる場合もある。皮膚科の専門医によっては、オリーブ石鹸などの無添加かつ低刺激性石鹸の使用を薦める場合があるが、「アトピー患者向け」として推奨されるものや高価な「敏感肌用石鹸」が必ずしもすべての患者に合うわけではない。実際に試すなどして、個々人にあった製品を選択する必要がある。皮脂を補うため、石鹸で抗原を除去した後に、ワセリン®やプラスチベース®で皮脂を補う治療も効果を示すことがある。

また一部の症例では頭皮の病変部に真菌が生息していることが報告されており[20]、これにより抗真菌剤を配合したシャンプーを薦める医師もいる。(この場合は脂漏性皮膚炎という診断が正しい。) 頭皮から上半身にかけての症状は、シャンプーリンスなどによる接触性皮膚炎である場合もあるため、製品をかえると改善することがある。

日常生活の指導

  • 皮膚はいつでも清潔に保つ。
  • 皮膚の保湿をおこない、乾燥させない。
  • 爪は短く切り、滑らかに磨いて皮膚を傷つけないようにする。
  • 適温・適湿の環境を心がける。
  • 刺激の少ない衣類を着る。
  • をかいたらこまめに着替えるようにする。
  • 室内を清潔に保つ。アトピー患者は特に皮膚のごみが部屋にたまりやすいので掃除機などでこまめに掃除する。
  • 1日1回はシャワーを浴びる[21]。(皮膚を清潔に保つため)

ストレスの除去

  • 家庭・学校・職場における本疾患の理解と協力が必要である。
  • 必要であれば精神療法を行うこともある。

その他の治療・民間療法・代替医療

この病気は原因が完全に解明されておらず、また直接生命にかかわるまでには至らない性質のものであることから、医師の間でも治療方法・考え方が異なることが多々みられる。そのため、医学的根拠がまったくなく一部の医師の仮説がひとり歩きしたものから、医師の間でも意見が分かれており是否について研究されているものまで幅広く多数ある。また、同時に民間療法代替療法も多数出現した。それらを以下にまとめた。記載にあたっては、個々の是否・信頼性に関して、また医療機関で行われるものか民間療法なのかの鑑別について、すべてを分類することは困難であり、それらすべてが混在して書かれている。そのため、この中にはアトピービジネスが提唱する独自理論に由来するものも含まれており、実施にあたっては、過度な期待をしない、悪化の兆候が見られたら無理に続けない、高額なものは詐欺的な要素を持つので避ける、といったことを心がける必要がある。

食事療法・食物・喫煙に関して

  • アトピー性皮膚炎治療の理論的メカニズムはまだ解明されていないものの、蔗糖の摂取をやめると回復に向かうことが臨床的に確かめられている。
  • 蔗糖の摂取がゼロになると歯のう蝕(虫歯)がゼロになることは定説だが、アトピー性皮膚炎にもこのメカニズムが働いているとする説がある。蔗糖を摂取することで血液中にミュータンス菌を中心とする菌が増殖し細菌叢が乱れる。不規則な生活やストレス、化学調味料の摂取により体の抵抗力が弱まった際、蔗糖の摂取により増加した菌が繁殖しアトピー性皮膚炎につながるというものである。
  • 砂糖の代用品として黒糖や甜菜糖などのミネラルを多く含むものを薦める意見もあり、現代の食生活では不足がちとなるミネラルを補給する意義が認められている。
  • アトピーの原因は胃腸あるいは小腸が正常に働いていないためにアレルゲンとなる物質が未消化のまま吸収されることや、蔗糖の摂取などにより腸内細菌叢が乱れていることであるとし、これを正常化することにより治療を目指すという考え方がある(プロバイオティックス)[22]。ただし、いわゆる食物アレルギーの場合は別として、本当に患者の腸に異常があるのか、提唱者の方法でそれが改善されるのか、という点は十分に検討されているとはいえず、この方法には疑問が残る。
  • SOD様食品療法(実際には不飽和脂肪酸、コーヒー、チョコレート、青魚の除去等も含めた複合療法)がある。四国・土佐清水の丹羽耕三医師とその治療法の研究グループが提唱しているものである。いわゆる活性酸素を除去する酵素スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の作用を持つ食品により症状の改善を目指すという。この治療法ではある程度以上の症状のある患者にはステロイドを配合した薬も処方し、特に入院しなければならないほどの重症患者に対しては、密封法でステロイドを使用する。SOD様食品をはじめとする治療法の併用により効果が高まりステロイドの副作用が軽減されると主張している。ただし、活性酸素は実際にDNAの損傷をはじめとする細胞障害性が報告されているものの、これを抑制することによる治療法に関しては、臨床試験などで実際に効果が証明されたことはない。そのためこのグループの治療効果は結局のところステロイド外用剤によるものではないかという疑問も残る
  • n-6系の脂肪酸アラキドン酸に変換され、痒みのメカニズムの一部を担うロイコトリエン等のメディエーターに変換される。したがってアレルギー疾患の患者はn-6系の脂肪酸を多く含む肉類を控え、n-3系の脂肪酸が多い魚、植物油などをとるとよいという説がある。しかしながら臨床的にはこの説は確かめられていない[23]
  • アルコールが直接皮膚炎に影響するという報告はないが、体温の上昇によりかゆみを増強することがある。また一部の患者で蕁麻疹を誘発することもあり、患者によっては摂取を控えるべきだろう。
  • マーガリンショートニングに多く(10%前後)含まれるトランス脂肪酸が、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の要因となるという調査報告がある[24]
  • 鯖やサンマ等の青魚はヒスタミン物質が多く、摂取は控えたほうがよいという説もある[要出典]
  • 患者にとってどちらかといえば消極的だが確実な対処方法として、毎食のメニューを詳細に記録しておき、食後に痒みが生じたような食材を、以後は避けるようにするやり方がある[要出典]。似たようなメニューでも調理方法によって、差が出ることがあるので、アレルゲンを神経質に気にするより、現実的な方法と言える。
  • 喫煙とアトピー性皮膚炎の症状の因果関係を追った研究は乏しいが、一般的な健康に与える影響のイメージから、アトピー性皮膚炎においても否定的な意見は多い[要出典]。また、副流煙に含まれる各種有害物質によって皮膚表面に痒みや炎症が起き、これが皮膚炎に発展する場合もある。いずれにしてもタバコの煙は身体にとって強いストレスになるので、一般に喫煙は推奨されない。また、非喫煙者にあっても、タバコの煙に接触した場合は速やかに洗い流すことがスキンケアの一環として推奨されている。
  • 独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所の報告によるとべにふうきという茶樹品種に多く含まれるメチル化カテキンが、抗アレルギー機能を示しているとされている[25]
  • ウイルスウォッシャーの製品(鳥取大学)で機能の基本となる電解水技術は、塩化物イオンを含む水道水に電気分解を施し、ウイルスを抑制する2種類の活性酸素「次亜塩素酸」と「OHラジカル」を生成し、これらの活性酸素が水の中では高密度な状態で保たれることから除菌効果を発揮し、アトピー、花粉症が改善した例があった。

黄色ブドウ球菌消毒スキンケア法

アトピー性皮膚炎患者の患部で黄色ブドウ球菌が多数検出されることが報告されており、これらの黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎の増悪因子として作用している可能性が示唆されている。そこで、黄色ブドウ球菌を消毒しスキンケアすることによるアトピー性皮膚炎の療法がある。ステロイドを外用しても効きが悪くなる「ステロイド抵抗性」[26]のケースで有用である。

黄色ブドウ球菌の性質

黄色ブドウ球菌グラム陽性通性嫌気性真正細菌であり、培養コロニーが黄色に見え、顕微鏡で見るとブドウの房状をしているため黄色ブドウ球菌とよばれる。人体の手指毛穴鼻腔内に常在する常在菌であるが、健康人ではその数は多くない。6.5~46℃の広い温度範囲で増殖し[27]、30~37℃が増殖の至適範囲である[28]。また、増殖可能pHはpH4.2~9.3であり、至適増殖pHは7.0~7.5である。高濃度(7.5%)の食塩水[29]中でも増殖でき、乾燥に強く、環境の変化に強い。また、菌が免疫系によって排除されることを防ぐ働きを持ち、伝染性膿痂疹(飛び火:とびひ)や化膿食中毒の原因になる。感染力は強い方である。

雪印集団食中毒事件は黄色ブドウ球菌が産生した毒素エンテロトキシンが原因とされる。黄色ブドウ球菌は、低温殺菌(63度で30分間加熱殺菌)で死滅するが、エンテロトキシン毒素は100度で30分加熱しても毒性を失わず、体内でなかなか分解されない。エンテロトキシンは、ng(ナノグラム)単位の非常に微量で毒性を持つ。

黄色ブドウ球菌による疾患の治療には抗生物質が使われるが、MRSAVRSAも報告されている。

消毒によるアトピー性皮膚炎治療

黄色ブドウ球菌がアトピー性皮膚炎に関係するとして、消毒薬などにより患部を消毒をすることによりアトピー性皮膚炎の症状を改善する治療法である。一般的に中・低水準消毒薬としてはポビドンヨード塩化ベンザルコニウム(逆性石鹸)[30]エタノール[31]グルコン酸クロルヘキシジンなどがあるが、このうちポビドンヨードを使った治療が報告されている。また、消毒作用がある温泉も報告されている。なお、消毒薬の有効性に関しては評価は一定しておらず、標準的な治療法ではない。

アトピー性皮膚炎の温泉療法

温泉は古くから皮膚病に対する治療効果が知られている。草津温泉療法の効果を調べた結果、患者皮膚の黄色ブドウ球菌数を減少させアトピー性皮膚炎を改善するとの報告がある[32]。草津温泉の泉質は、pH 2.1の酸性であり、酸性泉硫黄泉含アルミニウム泉硫酸塩泉塩化物泉として知られる[33]。また、草津温泉の時間湯は、独特の入浴方法がある[34]。草津温泉が黄色ブドウ球菌に対して消毒作用を及ぼしたと考えられる。なお、草津温泉は酸性泉であるが、pH 9.2の松島温泉出湯温泉などアルカリ性単純温泉でアトピー性皮膚炎への効能をうたっている温泉も多い。ただし、温泉療法は、傷口を酸またはアルカリに浸すのでしみて痛い場合があり、肌荒れを起こす可能性もある。

※効能はその効果を万人に保証するものではない

黄色ブドウ球菌は、風呂程度(約40度)の温水や高濃度塩水(7.5%)の中でも死滅せず増殖するので、単なる風呂や塩水風呂への入浴には黄色ブドウ球菌の殺菌効果はあまり期待できない[35]。一方で、浴槽に入ると患部が暖められて痒みが増し、その結果患部を掻き壊す。さらに掻き壊した患部から無数の黄色ブドウ球菌が健康な皮膚に拡散するので温水シャワーが推奨される。同一細菌による感染症である伝染性膿痂疹(とびひ)の場合もシャワーが推奨される。

脱ステロイド療法

「脱ステロイド」の本来の意味とは、ステロイド依存(Steroid addiction)[36][37]。に陥ったケースにおいて、ステロイド外用剤から離脱させ本来のアトピー性皮膚炎のみの状態にまで戻すことである。副作用からの脱却であるこの作業が「療法」として皮膚科雑誌に報告されたことは、その後の誤解と混乱の元となった)[38]。ステロイド外用剤は非常に高い有効性を持つ薬剤であるが、特に重症例では正しく医師の指導の下に使用していても十分に症状を抑えられない例や、長期の連用により皮膚萎縮、接触性皮膚炎、二次感染といった副作用をきたす例が存在する[39]ステロイド皮膚症の項参照)。このような症例において副作用から脱却したり、ほかの治療法を模索するといった過程で脱ステロイド療法が行われることがあり、実際にステロイド剤の中止が有効であったという報告もある[40]。しかし当然ながら、このような治療法に踏み切るためには、現在のステロイド外用剤による治療が効果をもたらしていないのかを慎重に判断する必要がある。

一方で「脱ステロイド」という言葉がアトピービジネスにおいて多々使用されることがある。その理由であるが、アトピービジネスは、他の科学根拠のない代替療法を勧めるため、「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させる」「ステロイド外用剤のリバウンドが続いている」「ステロイドを使用した年月に比例して治療に時間がかかる」「病変部から<毒>が排出されているので湿疹は好転反応である」などの独自理論を説明し、ステロイド剤に対して恐怖を煽り、ステロイド剤を中止させようとする場合が多いためである[41]。さらに自然主義的観点からプロトピックの使用も是としないことが多い(脱プロトピック)。このような業者に脱ステロイド療法(およびそのビジネス独自の療法)を指示されて極端に悪化し、かゆみが強く夜も眠れないなど生活に支障をきたしたり、ひどい場合緊急入院という結果となる症例が多数発生し続けている[42][43]。少数ながら合併症による死亡例もある。また、アトピービジネスやマスコミによるステロイド剤の恐怖などの誇張した宣伝の結果、治療が難航している患者が自己判断で「脱ステロイド」を行い、症状が急激に悪化するという悲劇的な2次的被害もみられる。一時期、社会問題になったこともあった。しかし、これら一連のアトピービジネス被害の根源は、そもそも「アトピービジネス」の著者である竹原和彦教授や川島眞教授ら皮膚科学会の首脳陣が、ステロイド依存(Steroid addiction)[44][45]に関する認識が薄く、ガイドラインへの記載がなされていないためであると指摘する医師もいる[46][47]

以上のような民間療法主導のステロイド絶対害悪論に基づいた「脱ステロイド」は危険であり、実施するに当たっては実際の病態がステロイドの副作用によってもたらされているのかを多数の医師とよく相談して判断した方が良い。その際、プロトピック軟膏やPUVA療法シクロスポリンといった他の治療に切り替えながら様子をみることもあるので、それに関しても医師と十分に相談すべきである。

薬物療法

  • 民間療法として漢方薬がよく使われる。使用方法に関して流儀があるため、漢方医、薬局による違いが大きい。人によって合う・合わないがあるので(合わない場合は増悪することもある)、素人判断は避け、漢方の専門医とよく相談の上で行った方が良い。一方漢方のみに依存して悪化する例も多数見受けられる。漢方に固執しないで悪化したときには皮膚科医にも相談することが大切である。アトピー性皮膚炎に効果があると言われる漢方の内服には証にあわせて消風散(しょうふうさん)、温清飲(うんせいいん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など、外用剤には、紫雲膏(しうんこう)・太乙膏(たいつこう)・中黄膏(ちゅうおうこう)などがある。
  • 抗真菌薬の内服が効果があるという報告がある。[48] しかし、一方で、保険診療は認められておらず、医師の間でもその是非について意見が分かれている。

鍼灸・ツボ刺激療法

  • 全身の体質を調整するのに有効。継続した治療が必要で、1回の施術で治るものではない。
  • 整骨院やあんま・マッサージを主としてる治療院では、肩こり・腰痛などの診断・治療しか念頭に置いていないため、鍼灸専門、もしくは脈診などの東洋医学的診断を行う所で治療を受ける方が適切である。
  • 鍼灸治療も学会が枝葉に分かれているために、治療内容が異なっており、体質改善のための治療としてはどこの治療院でも有効な治療ができるとは限らないので合わない治療をされるとかえって悪化を招くので注意。
  • アトピーの体質としてある痒みによる不眠、多夢、足の冷え、イライラ感、憂鬱感にもある程度効果がある。
  • (針)は痒みのある部位に刺すわけではなく、東洋医学の診断に基づいた手足のツボに治療することが多い。
  • はツボとしては、深谷灸法という治療法で肩髃というツボにお灸を行う。他にも痒い部位にすることも多く、皮膚炎の周囲と、一番痒いところに米粒くらいの(もぐさ)でお灸をする。痒みのあるところは痛みを感じにくく、熱さに対して鈍感であり、また少し火傷(やけど)にもなりにくい傾向がある。
  • 神経系統を刺激する療法においては、時としていわゆる好転反応がおきやすい。一時的に症状の悪化を招くことがあるので、必ず経験者に経過を見せ、アドバイスを得る必要がある。炎症がひどいときはステロイド外用剤の使用をためらうべきでない。

海水浴/塩浴療法

浸透圧によって血中の老廃物を強制的に排出していると言われるが、実際にどう作用しているかは分かっていない。なお塩浴では塩風呂に浸かるのではなく塩水で体を洗う。ミネラルの多い塩の方が効果が高いとも[要出典]

海水浴で効果がある場合、塩水の混じる温泉も効果がある。塩浴が効かない者でも、海水浴療法が効果がある場合がある。しかしいずれの場合も「リラクゼーション効果によるもの」とする説もある[要出典]

当然ながら、塩水との接触によるかぶれから症状が増悪する場合もある。その為海水には浸からずやや強い紫外線によってPUVA療法に似た効果を期待する海水浴療法もある[要出典]

呼吸療法

アトピー患者は副交感神経が常に、そして過剰に緊張しているために痒さが増幅しているので長吸短呼(長く吸って短く吐く)の呼吸によって交感神経を緊張させ、痒さを軽減するという理論[要出典]

他の病気に対する民間療法ではリラックスを司る副交感神経を緊張させることを重視する場合が多いが、アトピーでは逆に副交感神経が過剰活性化している場合があり、その度合いが高いほど痒さが増す。外に出ていて帰宅し、ほっと一息ついたら痒くなる事があるが、これは交感神経が緊張している状態から副交感神経が緊張している状態に変わったことに対応している場合がある。

継続的なストレスによって症状が増悪している場合もあるので、この理論がすべての患者に当てはまるわけではない。しかし、副交感神経が緊張するとリンパ球が増加して免疫力が高まりアトピーの症状も悪化するため、長吸短呼はその面からもアトピーに有効だと言うことができる。

なお、自律神経やリンパ球とは関係なく、アレルゲンの体内侵入を防ぐという目的でも鼻呼吸は有効である。

冬季など乾燥時期の就寝時に、加湿器をかけておくと過ごしやすい。これは吸気から体内に水分が補給できるためと考えられる。

整体療法

アトピーの原因は背骨の歪みに起因する自律神経の乱れにあるとし、これを治すもの。背骨の歪み以外にも、アトピー患者には姿勢が悪い人が少なからずおり、自律神経との関係でアトピーを悪化させている可能性があるといわれている[要出典]

自律神経免疫療法

免疫がリンパ球優位であることがアトピー性皮膚炎や気管支喘息の原因と考え、好中球優位の体質に改善するように、針刺激や爪もみを行う方法が提唱されている[要出典]。アトピー性皮膚炎に限らず自律神経免疫療法は様々な分野で応用可能であるといわれている。

オーダメイド医療

「個人の遺伝子情報に応じた医療の実現プロジェクト」(オーダメイド医療実現化プロジェクト)の対象疾患となっており、一部の大学病院において匿名で血液を提供することで間接的に参加することができる。

差別問題

関連項目

脚注

  1. ^ Dr.Corkの表皮バリア破綻説[1]
  2. ^ Cork J Allergy Clin Immunol,2006;118:3-21.
  3. ^ 海洋資源化学研究室のホームページで紹介。多数の文献の記載あり[2]
  4. ^ Degussa.AGほか、セラミドに関する最近の知見、フレグランスジャーナル Vol.32 No.11 2004
  5. ^ Ohnishi.Y Clin Diagn LabImmunol 6 101~104
  6. ^ Okino.N J.Biol.chem. 273 14368-14373
  7. ^ Ono SJ. Annu Rev Immunol. 2000;18:347-66.
  8. ^ 日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」 7
  9. ^ 日本医師会ホームページ 知って得する病気の知識 アトピー性皮膚炎 [3]
  10. ^ 日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」 8
  11. ^ J Invest Dermatol,2009;129:1892-1908[4]
  12. ^ 日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」 9
  13. ^ 日本皮膚科学会編「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」 9
  14. ^ FK506軟膏研究会:アトピー性皮膚炎におけるタクロリムス軟膏0.1%および0.03%の使用ガイダンス、臨床皮膚科57:1217-1234,2003
  15. ^ FK506軟膏研究会 アトピ-性皮膚炎に対するFK506(タクロリムス)軟膏の長期観察試験 1年間の成績 臨床医薬14:2405、1998
  16. ^ Primedica/Mason研究所、FR900506(FK506,タクロリムス)軟膏をBCFマウスに24ヶ月反復塗布した癌原性試験(CONFIDENTIAL:DIR030003)
  17. ^ [アステラス製薬 プロトピックの安全性について http://www.astellas.com/jp/special/proto.html]
  18. ^ 日経Med Wave 2005年3月15日版
  19. ^ 中山秀夫: ダニアレルギーとその対策. Dermatology Practice6. 152-161
  20. ^ Aspres, N. & Anderson, C. Malassezia yeasts in the pathogenesis of atopic dermatitis. Australas J Dermatol 45, 199-205; quiz 206-7 (2004).
  21. ^ 望月博之、滝沢琢己、荒川浩一、加藤政彦、徳山研一、森川昭廣、牛久英雄『アトピー性皮膚炎に対する小学校でのシャワー浴の有用性』日本小児科学会雑誌、Vol.107, No.10, Oct.(2003)
  22. ^ 北 廣美, 下谷 麻里子、 藤沼 秀光。アトピー治療のW戦略―腸内正常化と毒出し(デトックス) メタモル出版
  23. ^ n6/n3 hypothesis and allergies: biologically plausible, but not confirmed. Eur J Med Res. 2004 Aug 31;9(8):378-82.
  24. ^ Trans fatty acids and atopic eczema/dermatitis syndrome: the relationship with a free radical cis-trans isomerization of membrane lipids. Lipids. 2005 Jul;40(7):661-7.
  25. ^ "抗アレルギー成分を含有した低カフェイン‘べにふうき’緑茶".平成14年度野菜茶業研究成果情報、独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶研・機能解析部・茶機能解析研究室、2003 http://www.naro.affrc.go.jp/top/seika/2002/vegetea/ve009.html
  26. ^ 「塗ってもきかない」― ステロイド抵抗性[5]
  27. ^ 6.6~50℃とする文献もある。
  28. ^ 培養は37℃でなされる。
  29. ^ 海水の塩分濃度は、3.5%である。
  30. ^ 健康学生の鼻前庭由来黄色ブドウ球菌に関する研究
  31. ^ エタノールは刺激性であり患部の消毒には向かないが、患部をさわる手指に付着した黄色ブドウ球菌の消毒には有効である。
  32. ^ 久保田一雄他:リハビリテーション医学、34、40(1997)
  33. ^ 草津温泉、泉質・効能
  34. ^ 草津温泉、時間湯 入湯方法
  35. ^ 水道水には塩素が0.1mg/L以上付加されているので消毒効果はあるが、黄色ブドウ球菌が5~10分程度の入浴で死滅するほど強力ではない。
  36. ^ Dr.Corkの表皮バリア破綻説[6]
  37. ^ Dr.Kligmanの警告[7]
  38. ^ 玉置先生の「療法」[8]
  39. ^ British Jornal of Dermatology 2003 Jan;148(1):128-33. Clinical dose and adverse effects of topical steroids in daily management of atopic dermatitis.
  40. ^ Clinical Dermatology 1995 IV治療のポイント 成人型アトピー性皮膚炎の脱ステロイド療法 臨床皮膚科49(5増):115-120, 1995
  41. ^ アトピービジネス 文春新書
  42. ^ 越後岳士他 「脱ステロイド療法にて増悪後、入院治療を行ったアトピー性皮膚炎患者の分析」 『日皮会誌』112(11) 1475‐1479、2002年
  43. ^ 竹原和彦、飯塚一、伊藤雅章、玉置邦彦他 「アトピー性皮膚炎不適切治療健康被害実態調査報告書」 『日皮会誌』110:1095‐1098、2000年
  44. ^ Dr.Kligmanの警告[9]
  45. ^ Dr.Corkの表皮バリア破綻説[10]
  46. ^ NF-κBデコイの開発[11]
  47. ^ 脱ステロイド患者のQOL[12]
  48. ^ 神田奈緒子 抗真菌薬はアトピー性皮膚炎の患者T細胞のIL-4、IL-5を抑制する [13]

外部リンク

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