お上
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お上・御上(おかみ)とは、公儀権力を示す言葉。
四等官筆頭の長官がカミと呼ばれるように、日本では古来より最上位の権力者をカミと称してきた。武家政権時代であれば、庶民にとってのオカミは領主であり、武士にとってのオカミは主君であり、公家にとっての主上(おかみ)とは天皇であった。明治に入り一君万民論の浸透とともに、狭義には天皇一人を、広義には「天皇の政府」としての公権力一般を指すようになった。第2次世界大戦後は「お上」をもって天皇を指すことは一般的には無くなり、揶揄的に政府ないし政府機関、省庁を指す俗用のみが残っている。
現在領収書などで客の名前の代わりに「上様(うえさま)」と書くことが多いが、それはここからきている。上様は江戸時代には将軍の尊称として用いられた。大政奉還後の短期間、徳川宗家当主の正式称号として定められている。
また旅館や食堂などを取り仕切る女性を「女将(おかみ)」「女将さん」と呼ぶ。ただし、本来は「御上さん」が正しい表記である。
貴族や貴族の家、貴族的(上品)な様子のことを「御上家(おかみけ)」とも言う。