網
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網(网。あみ)とは、柔軟性に富む糸などを用いて格子状に結びつけて編み込まれた物である。ネット(英語: net)ともいう。
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概要
古くから虫や魚等の捕獲・採取に用いられたり、容器として物を入れる用途に利用されている。通気性が高いため、密閉性が必要な用途には不向きである。竹細工や蔦などの比較的固いもので編み込まれたものは笊(ざる)や籠(篭、かご)といわれる容器であり、区別されている。
網の形状から転じて、多くのものが複雑に結びついた状態・関係を網と呼ぶようになった。例えば連絡網、情報網。また、放送・通信分野での各種のネットワーク(例:電話網・回線網・放送網)でも使われ、単に網と呼ぶこともある。「ネットワーク」という言葉自体、原義は「網状の製品」の意味である。
製法
製造方法により、大きく3つに分けられる。
- 結節網
- 網の節を結んで作っているもの(現在は「かえるまた」という結び方のものが主流である)
- 無結節網
- 網の節を撚り合わせて作っているもの
- 成型網
- 樹脂を押し出し、延伸等により網の形にしたもの
歴史
江戸時代から明治時代中期までは手作業により製作されていた。
1907年に「広井式足踏かえるまた機」という製網機械が発明され、大正時代の終わりには、「無結節網機」が完成。工業としての製造がはじまる。昭和時代は三重県・愛知県・静岡県・石川県を中心に網の製造業は隆盛を見るが、平成に入ると人件費の安い海外生産に押されて業者数・国内生産とも減少傾向である。
分類
網はその用途・形状に応じて分類されている。
- その他
- 植生ネット
- 養生ネット
- 捕縛ネット
- 蜜柑袋
- 例外的に固い素材で編まれた網
- 金網
- 焼網 - 魚類や餅などを焼くときにもちいる。食材を焼くときは、串(くし)に刺して火のうえでやきあぶることもある。おおきいものはウナギ用の大網から、網目形の餅焼網、格子状の魚焼網などがあり、かつては石綿製の網もあった。蒸焼網もある。形は、円形ないし方形で、針金を縦横にくみあわせた網目方形のものは元禄網といった。
動植物の世界における網
獲物を捕らえるという意味での網は、動物における濾過摂食を道具によって実現したものともいえる。その意味では例えばひげ鯨のひげも網である。しかし、より網らしいのは、分泌物によって網状の構造を作り、それでもって獲物を集める動物のそれである。もっともよく知られているのはクモの網であるが、他にもヒゲナガカワトビケラなどトビケラ類の一部、オタマボヤ、オオヘビガイなどがそれに類似のものを作る。
役割としては網ではないが、網の形を取るものもある。葉状体そのものが網の姿になったものにアミミドロやラビリンチュラなどがある。また、スゲ属の植物には、基部の葉鞘が繊維に裂けて網状になるものがあり、これを糸網という。他に、アミシダ、アミメアリは網のような模様があるものである。
関連項目