資料
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資料(しりょう)は、調査や研究を行う際に、論拠とし、あるいは考察の参考にするデータ、既存の文献のこと。ソースということもある。歴史学の分野では「史料」という。 また、副教材などで教材の参考とするため関連する資料を集めたものを「資料集」という。
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一次資料・二次資料等の区分
資料をその独自性および生データへの近さにより、一次資料(Primary source)、二次資料(Secondary source)、三次資料(Tertiary source)等と分類することが多い。一次資料は、元の文献などそのものであり、原典ともいう。それらの一次資料を編集して掲載した資料は、二次資料と呼ばれる。資料の分類は学問分野によって多少異なる。例えば、明治時代の文学を研究している文芸批評家にとっての一次資料とは詩や小説そのものである。他の文芸批評家が書いた評論は二次資料となる。また、新しい抗ガン剤を求めて研究している医学者にとっては実験結果や患者の治験記録を発表した論文が一次資料であり、それらの文献の一覧は二次資料である。こうした一次資料-二次資料…の区分はいくつかの分野でやや異なった意味で使用されているので、以下に例示する。
博物館の資料
博物館法の規定に基づく「公立博物館の設置及び運営上の望ましい基準」第3条の定義によれば、博物館が収集する資料のうち、「実物又は現象に関する資料」が「一次資料」であり、「一次資料に関する図書、文献、調査資料その他必要な資料」が「二次資料」である。例えば、恐竜の骨は一次資料であり、恐竜についての書籍・研究論文などが二次資料ということになる。
図書館の資料
図書館では、一般的な書籍・論文を一次資料と呼ぶ。また、どの書籍(論文)にどういう内容が書いてあるかを探すための本(書誌、索引、文献目録の類)を二次資料と呼ぶ。例えば、『漱石全集』や『明六雑誌』などが一次資料で、『夏目漱石研究文献目録』『明六雑誌語彙総索引』などが二次資料に当たる。また、書誌類の他に、事典、辞書などを二次資料と呼ぶこともある。これらの区分は固定的なものではなく、図書館で整理するための便宜的な区分である(二次資料等は参考資料室に置き、一般貸出を制限するなど)。
- どういう書誌があるかを調べるための本(書誌の書誌)を三次資料と呼ぶこともあるが、あまり一般的な呼び方ではない。
- 一次資料(オリジナルの資料)と二次資料(編纂物)を選択的に組み合わせて作成された資料を三次資料と呼ぶこともある。この場合、図書目録、書誌、参考文献一覧、推薦図書一覧(reading list)、教科書、百科事典などが三次資料に当たる。
調査・統計
各種の調査・統計において、研究者や機関が直接調べた生(なま)のデータを一次資料と呼び、そのデータを分析して得られた論文や著作を二次資料と呼ぶ。例えば、論文を書く際には「他人が調べた結果(二次資料)を見るだけでなく、必ず一次資料に当たれ」などと指導される。
医療
実験に基づく専門的な研究論文(海外文献も含む)を一次資料と呼び、論文の索引類を二次資料と呼ぶ。また、医療関係者が日ごろ実務的に手にする書籍・教科書・ガイドブック類を三次資料ということもある。
歴史学
歴史学においては、「史料」という用語が使われる。同時代の人間による生の史料を一次史料と呼び、後世の編纂物などを二次史料と呼ぶ。例えば、上杉謙信の残した書状や感状などは一次史料であり、米沢藩が一次史料を元にまとめた『上杉年譜』は二次史料である。これは史料のオリジナル性(当事者によるその当時のものかどうか)を基準にした場合の区分である。(史料、史料批判の項も参照)
参考文献
- Wood Gray, Historian's handbook, a key to the study and writing of history (Houghton Miffin, 1964).
- JCU - Primary, Secondary & Tertiary Sources
- Primary Sources at Yale
関連項目